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2024-06-04

懶惰ムコラム(らんだむこらむ)1【AIのサービス】

懶惰ムコラム…ひまつぶし?屁理屈?懶惰な想いも無二な言葉で。

AIのサービス

実家に帰省して自分の書棚を眺める。
高校時代から文字の本は殆ど捨てていない。
当時何を求めて本を読んでいたか回想す。
ふと、柳田邦夫「事実の読み方」1985年発行が 目に留まる。
羽田の日航事故や三越事件のネタがあるなかで、
「コンピューターの時代」が主旨の記事があった。

銀行にコンピューターが入って、口座自動引落としが 始まったころの話。
ある日、支払い予定の金額が柳田氏の口座から予定よりも早く引き落とされていた。
柳田氏が問い合わせると
「コンピューターのミスで・・・」
との回答だったが、経緯を調べると、行員が1カ月早い期日で処理をしたことが原因であることに行き着いた。
ヒューマンエラーであるのは明白であるが、
銀行は、コンピューターのミスだと言い張った。
(記憶では、たしか、そんな内容)

柳田氏が言いたかったことは、コンピューターが入ったことで、
人間の無責任さの行き場が生まれて、
これからさらに人間の無責任な行動は拡がるばかりで
そんな社会になっていくだろう。
ということ。

それが1985年の話。ウィンドウズ95の10年前。
時代を経て2024年、コンピューターも頭脳(AI)
を持つようになってきた。どんな社会になっていくのか。

先日、食品等の電話予約をAIが代行するサービスが
客から直接電話を受けたい店の意図に沿っていないと
苦情を訴える記事が出ていた。
AIは対話することなく一方的に話し、YES,NOの電話操作を店側にさせる。途中で電話を切ると際限なく再発信してくる。

AIの無機質な動きに、店の生身の人間の労力が割かれていく。

代行サービスは基本コンピューター任せ。
問題はコンピューターに押し付けるのが常道。
店の苦渋は注文者には関係のない話。
注文者は代行手数料を支払うことで、
本来なら自ら行動して機会を得るべきものを
寝ながらに手に入れる。

金さえ払えば
コンピューターがやってくれる。

「何が悪いの?」

サービスの事業者、利用者は言うだろう。
何が悪いか分からない。
1985年の危惧は、2024年も変わっていない。
コンピューターの時代の無責任はAIで加速する。

「こんなこと機械(コンピュータ、AI)にさせたら問題だよな」

ってことがAIのサービスになっていくような気がする。